3月15、16日のマドリッド旅行。快晴に恵まれ、絶好の旅行日和となりました。ただ、日中気温が30℃近くまで上昇。Tシャツ1枚でも汗ばむほどです。3月中旬とはにわかに信じがたい暑さでした。
さて、そんな猛暑の中の今回のマドリッド旅行、年明け以降立て続けに旅に出ていたため少々疲れ気味だったのか何だったのか、いわゆる「観光」的なことにはあまり精を出しませんでした。珠玉のプラド美術館にも、ピカソの大作「ゲルニカ」があるソフィア王妃美術センターにも、そして贅の限りが尽くされたという王宮にも足を踏み入れていません。何と贅沢なという非難を受けてしまうかもしれませんが、それはまた次回マドリッドを訪ねたときの楽しみとして、今回はのんびりと町を歩き、そしてあとはひたすら食べまくることに努めました。昨年11月にバルセロナを訪ねて以来虜になっているスペイン料理。今回も2日間で食べに食べては舌鼓を打ちました。まさに食い倒れ旅行そのものです。
それでは、それらの中でも特に気に入ったものを紹介したいと思います。
まずは、こちら。マッシュルームの鉄板焼き、チャンピニョン・ア・ラ・ブランチャ。生ハムとパセリを乗せたマッシュルームに塩を振ってオリーブオイルで焼いただけという至ってシンプルな料理ですが、最高の味でした。マッシュルームの旨みがぎゅっと汁に凝縮され、ビールと見事なまでにマッチ。こんな美味しいマッシュルーム、今まで食べたことがありません。
というのもこれを食べた店、「メソン・デル・チャンピニョン(Meson del Champinon)」(住所:Cava de San Miguel 17)はマッシュルームの専門店。店の入口では各国語でマッシュルームと書かれ、店内カウンターにはセットされ焼かれるのを待つマッシュルームがどっさり。日本語でマッシュルームが「マツツユルーム」と書かれているのはご愛嬌として、さすがと感心しきりでした。
マッシュルーム以外のメニューもなかなかいけました。これはチョリソー。小ぶりながらぷりぷりで、噛むと口中にぶわっと辛味の効いた肉汁が溢れ出ます。言わずもがなビールとの相性抜群で、もうビール好きにはこたえられません。まさに至福のひと時、スペインではついつい飲みすぎてしまいますね。
続いてこちらが、生ハムの王様、ハモン・イベリコ。マドリッド市内でチェーン展開している生ハム専門バル「ムセオ・デル・ハモン(Museo del Jamon)」(住所:San Jeronimo 6)でいただきました。これも今まで食べた生ハムの中で正直一番。専門店だからでしょうか、甘味、旨み、とろけ具合、どれも最高クラスの美味しさでした。
かわってこちらは子豚の丸焼き、コチニーリョ・アサードです。今回の食い倒れ旅行の中での1番のご馳走となりました。生後15~20日の子豚をかまどで丸焼きにしたもので、皮がぱりっと、中がジューシーなのが特徴です。濃厚な豚の旨みが脂身から滲み出てきて、でもそれほど豚臭さがなくて、実に美味しかったです。
この子豚の丸焼き、テーブルの上にだされるときは切り分けられてきますが、この通り子豚を真っ二つにして丸焼きにしているようです。なかなか生々しい光景ですが、美味しいのだから仕方がない。コックまでなぜか豚顔なのは、子豚の呪いでしょうか。まあそれはさておき、このレストラン「ボティン(Botin)」(住所:Cuchilleros 17)は、1725年に居酒屋兼酒屋としてオープン。今では世界最古のレストランとしてギネスブックに認定されているそうです。
最後にこちらも今回の大ヒット、えびのニンニク炒め、ガンバス・アル・アヒーリョです。生のむきえびをガーリック、塩、それにバジルとパセリで風味付けしてオリーブオイルで炒めるというまたまたごくシンプルな料理でしたが、とても美味しかったです。一体どうしてこの単純プロセスでここまでの味に仕上がるのか、不思議でなりません。
なお、バルの名前は「ラ・カサ・デル・アブエロ(La Casa del Abuelo)」(住所:Victoria 12)。「おじいちゃんの家」という意味とのことですが、おじいちゃんではなく、ご覧のとおり鬼の形相のお姉ちゃんが料理してくれました。火柱ゴォー、えびたち灼熱炎で焼き上がってしまえぇ、といったところでしょうか。
スペイン料理、最高です。